水戸黄門の歴代格さん俳優一覧!交代理由と印籠秘話・現在の姿総まとめ
国民的時代劇として半世紀以上にわたり日本の茶の間を魅了し続けた『水戸黄門』。水戸光圀公の傍らで旅を支える二大看板といえば「助さん」と「格さん」ですが、なかでも旅の治安・会計・日誌を一手に引き受け、クライマックスで葵の御紋を高々と掲げる「格さん」こと渥美格之進は、作品の道徳的支柱ともいえる重要人物です。
実直で生真面目な堅物キャラクターでありながら、歴代の演者によって武骨な力強さ、洗練された知性、情の厚さなど多彩な個性が吹き込まれてきました。本稿では、歴代格さんを務めた俳優たちの軌跡、語り継がれる交代劇の舞台裏、名シーン「印籠出し」の知られざる誕生秘話から現在の活動状況まで、一次資料や当時の証言をもとに徹底解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1: 初代の横内正から大和田伸也、歴代最多出演の伊吹吾郎、平成を彩った山田純大、合田雅吏、的場浩司、BS版の荒井敦史まで、計7名の名優が格さん役を継承。
- 要点2: 交代の背景には役者のイメージ固定化への葛藤や光圀役の世代交代があり、大和田伸也期には歴代最高視聴率43.7%を記録。
- 要点3: クライマックスの「印籠出し」は初期から固定されていたわけではなく、3代目・伊吹吾郎の重厚な所作によって様式美として完成された。
【一覧表で比較】水戸黄門の歴代格さん俳優と出演期・現在の活動状況
1969年の放送開始から地上波レギュラー放送終了、そしてBS-TBS版のリブートに至るまで、渥美格之進を演じた俳優陣はそれぞれ異なるアプローチで役柄の魅力を開花させてきました。まずは歴代キャストの出演期間、特徴、そして現在の活動状況を一覧表で整理します。
| 代数・俳優名 | 担当部・出演期間 | 演技スタイル・代表的特徴 | 現在の活動・状況 |
|---|---|---|---|
| 初代:横内正 | 第1部〜第8部 (1969〜1978年・計222回) | 端正な顔立ちと重厚な低音ボイス。「生真面目で堅物」という格さんの基本造形を確立。 | 舞台演出家・重鎮俳優として現役活動。シェイクスピア劇の主演・演出や後進育成に尽力。 |
| 2代目:大和田伸也 | 第9部〜第13部 (1978〜1983年・計134回) | 若々しい熱血漢と知性を兼備。第9部で番組歴代最高視聴率43.7%を記録した立役者。 | ドラマ、映画、ナレーション、バラエティ等多方面で活躍。映画監督としても実績多数。 |
| 3代目:伊吹吾郎 | 第14部〜第28部 (1983〜2000年・計556回) | 17年間にわたり歴代最多出演。「印籠を構える所作」を国民的様式美へと昇華させた象徴的存在。 | 特撮作品や本格時代劇、バラエティ番組に出演。重厚な存在感を放つ名バイプレイヤー。 |
| 4代目:山田純大 | 第29部〜第31部 (2001〜2003年・計67回) | 杉良太郎の長男。米ハワイ大卒の国際派でありながら、凛とした佇まいと爽やかな実直さを体現。 | 刑事ドラマや映画、ノンフィクション作家としても執筆活動を展開するなど多彩に活躍。 |
| 5代目:合田雅吏 | 第32部〜第41部 (2003〜2010年・計183回) | 長身を活かしたシャープな殺陣と柔和な表情。助さん役(原田龍二)との絶妙なコンビネーション。 | 舞台・映像作品を中心に活動。小田原ふるさと大使を務めるなど地域文化振興にも貢献。 |
| 6代目:的場浩司 | 第42部〜第43部 (2010〜2011年・計43回) | 地上波最終シリーズを担当。従来の堅物像に情熱的で武骨な男気と親しみやすさを注入。 | 舞台主演、映画、スイーツ評論、バラエティなど幅広いフィールドで唯一無二のポジションを確立。 |
| BS版:荒井敦史 | BS-TBS版 (2017年・2019年・計20回) | 武田鉄矢版水戸黄門で抜擢。若々しいエネルギーとスピード感あるアクションで新風を吹き込む。 | 舞台・ミュージカルを中心に活躍。若手実力派俳優として着実にキャリアを積み上げ中。 |

【交代理由の真相】初代・横内正から大和田伸也、伊吹吾郎へのバトンタッチ秘話
半世紀の歴史において、格さんの交代は単なるキャスティングの変更にとどまらず、作品のトーンや視聴者層の変遷を映し出す重大な転換点でした。公式発表資料や当時の関係者インタビューから、交代の舞台裏にあった人間ドラマを紐解きます。
初代・横内正:9年間の激務と「役者としての脱皮」
俳優座出身の横内正は、第1部から約9年間にわたり格さんを務めました。初代・助さん役の杉良太郎(後に里見浩太朗へ交代)との絶妙な掛け合いは番組初期の人気を決定づけましたが、長期シリーズならではの「役のイメージ定着」に直面します。京都・太秦での過密な撮影スケジュールが続く中、舞台俳優としての原点回帰や他の役柄への挑戦を望んだ横内は、円満な形で降板を決意。後年、当時の手記やインタビューでも「格さんという役に感謝しつつも、一人の役者として次のステージへ進むための決断だった」と述懐しています。
2代目・大和田伸也:絶頂期での卒業と東野黄門の勇退
横内からバトンを受け取った大和田伸也は、持ち前の端正さとダイナミックな演技で視聴者を魅了しました。大和田が出演した第9部(1978年〜1979年)では、1979年2月5日放送回で番組史上最高となる世帯視聴率43.7%(ビデオリサーチ関東地区調べ)を記録。文字通りの黄金期を築きます。しかし、5年間の出演を経て、自身の映画進出や海外留学、演劇活動への意欲が高まったこと、さらに初代黄門様である東野英治郎の勇退(第13部で降板)という大きな節目が重なり、大和田も同時に番組を卒業することとなりました。
3代目・伊吹吾郎:556回出演、まさに「生きる格さん」となった17年間
1983年の第14部から登場した伊吹吾郎は、歴代最長となる17年間・計556回にわたって格さんを熱演。2代目黄門様・西村晃、3代目・佐野浅夫という2人の主役を支え続けました。伊吹が卒業を迎えたのは2000年の第28部終了時。番組制作陣がキャストの大規模な若返りを図ったタイミングであり、伊吹自身も「格さんをやりきった」という充実感とともに次世代へ看板を託しました。
「この紋所が目に入らぬか」印籠出しの歴史と助さん・格さんの決定的な役割分担
『水戸黄門』のクライマックスといえば、悪党たちを前に印籠を突きつける瞬間です。しかし、この定番の立ち回りも最初から完全に定式化されていたわけではありません。
💡 助さん・格さんの職務分掌と性格のコントラスト
- 佐々木助三郎(助さん): 剣術の達人(二天一流・神道無念流など)。性格は陽気で軟派、女好き。うっかり八兵衛とともに町娘に鼻の下を伸ばす「動」のトラブルメーカー兼斬り込み隊長。
- 渥美格之進(格さん): 柔術や相撲の達人(素手で相手を制圧)。性格は厳格・実直・堅物。金銭管理(出納帳)や旅の日誌記録、そして「三つ葉葵の紋所が刻まれた印籠」の保管・提示を担当する「静」の守護神。
伊吹吾郎が完成させた「印籠の様式美」
番組初期、印籠を出す役目は格さん専任ではなく、助さんが出す回や光圀自らが懐から取り出す回も散見されました。台詞も「静まれ、静まれ!」というシンプルなものでした。
これを歌舞伎の見得(みえ)のような完璧な型へと昇華させた立役者が、3代目格さんの伊吹吾郎です。伊吹は撮影時、印籠の葵の御紋が照明で白飛びせず、カメラレンズに対して寸分の狂いもなく真正面を向くよう、手首の角度や掲げる高さをミリ単位で研究。左手で懐から取り出し、右手に持ち替えて親指を添え、腹底から響く重低音で放つ「静まれ、静まれ! 静まれぃ! この紋所が目に入らぬか!」の咆哮は、日本テレビ史に残る至高の決めシーンとなりました。

【実態検証】山田純大・合田雅吏・的場浩司が挑んだ平成格さんのリアルな評判
昭和の重厚な様式美が完成された後、平成の『水戸黄門』は「時代劇離れ」が進む若い世代を取り込むべく、キャスティングに新たなアプローチを試みました。当時の視聴者コミュニティやSNS、ドラマ評論における各俳優の評価を検証します。
4代目・山田純大:家柄を超えた気品と生真面目さ
かつて初代助さんを務めた名優・杉良太郎の実子である山田純大の抜擢は、当時大きな話題を呼びました。米国の大学を卒業したスマートな風貌ながら、所作の一つひとつに折り目正しい気品が宿り、「歴代で最も育ちの良さを感じさせる格さん」として高い評価を獲得。3部のみの出演でしたが、平成初期の清新な風を吹き込みました。
5代目・合田雅吏:原田龍二との「歴代最強のバディ感」
特撮出身で長身・知性派の合田雅吏は、助さん役の原田龍二とともに7年間にわたってレギュラーを務めました。このコンビは視聴者から「助格の掛け合いが歴代で最もテンポが良い」「美男子ふたりのバランスが絶妙」と絶賛され、お茶の間の主婦層を中心に熱烈な支持を集めました。合田の見せる冷静沈着なサポートと華麗な立ち回りは、格さんのインテリジェンスな側面を際立たせました。
6代目・的場浩司:賛否両論を情熱でねじ伏せた「熱血格さん」
地上波レギュラー放送のラストを飾った的場浩司の起用は、当初「ヤンキー・武闘派のイメージが強く、堅物の格さんとは合わないのではないか」という懸念の声も一部で上がりました。しかし蓋を開けてみると、曲がったことを許さない武骨な正義感、人情味あふれる温かい笑顔、そして圧倒的な迫力の立ち回りで視聴者を魅了。ネット上でも「歴代で一番強そう」「情に厚くて泣ける格さん」と評判を一変させ、有終の美に大きく貢献しました。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|歴代最高視聴率43.7%を支えた格さん黄金期
ネット上のまとめ記事やSNSでは、『水戸黄門』に関して事実と異なる情報や誤解が流布しているケースが見受けられます。検証結果から判明した事実を整理します。
誤解1:「印籠を出すのは最初から格さんだけの役割だった」という嘘
前述の通り、第1部〜第3部あたりの初期作品では、印籠を出す演出自体が定着していませんでした。第1部では印籠ではなく「光圀直筆の書状」を見せて身分を明かす回もあり、印籠が登場しても助さんが掲げたり、弥七が預かっていたりすることもありました。「印籠出し=格さん」という鉄則が完全に固定化されたのは、シリーズ中盤以降の演出改革によるものです。
誤解2:「格さんは助さんより腕っぷしが弱い」という先入観
華麗に刀を振るう助さんに対し、格さんは素手での格闘や峰打ち、相撲技で相手をねじ伏せることが多いため、「助さんの方が強い」と誤認されがちです。しかし設定上、格さんは柔術・体術の達人であり、無駄な殺傷を避けるためにあえて素手や棒術で戦っているに過ぎません。乱闘時の制圧力や防御力においては、一行の中で最も頼れる防壁として描かれています。
歴代視聴率と黄金期のパワーバランス
『水戸黄門』の全盛期とされる1970年代後半から1980年代前半、視聴率は常に30%台をキープしていました。東野黄門×里見助さん×大和田格さんの第9部で記録した43.7%という数字は、2026年現在の民放ドラマ界では到達不可能な金字塔です。この驚異的な視聴率を支えたのは、勧善懲悪の分かりやすさだけでなく、キャラクターの厳格な職務分掌と人間的魅力のバランスにありました。
【プロの結論】「助格コンビ」から学ぶ現代組織のマネジメントと視聴ガイド
なぜ『水戸黄門』の助さん・格さんというキャラクター構造は、半世紀以上にわたって日本人の心を掴み続けたのでしょうか。組織社会学および心理学の視点から分析すると、現代のビジネスやチームビルディングにも通じる極めて合理的なメカニズムが浮かび上がります。
動と静の心理的バウンダリー(境界線)と相互補完
助さんと格さんは、組織論における「先導役(エクスプローラー)」と「守護役(ガバナー)」の完璧な対比構造を成しています。
- 助さん(動・攻め): 好奇心旺盛で前線に飛び込み、現地の情報を引き出すが、時に暴走してトラブルを招く。
- 格さん(静・守り): 規律と予算を守り、旅の安全を確保する。助さんが広げた風呂敷を冷静に畳み、最後の法的・権威的根拠(印籠)を提示して事態を収束させる。
どちらか一方だけでは組織は破綻します。トップである光圀が自由に現場視察(お忍び)を行えるのは、背後に完璧な危機管理とコンプライアンスを司る格さんが控えているからに他なりません。現代の企業組織においても、営業や新規事業を牽引する人材(助さん)と、法務・財務・統制を担う人材(格さん)の相互尊重が不可欠であることを、この物語は教えてくれます。
【目的別】今から再放送・動画配信で観るならどの格さんを選ぶべきか?
🎯 視聴者のタイプ別・おすすめシリーズの判断基準
- 昭和の重厚な時代劇美・大立ち回りを味わいたい方:
👉 初代・横内正期(第1〜8部) または 3代目・伊吹吾郎期(第14〜28部) が最適。威厳ある声と隙のない殺陣を堪能できます。 - 最高視聴率を叩き出した熱気とスピード感を楽しみたい方:
👉 2代目・大和田伸也期(第9〜13部)。脂の乗った東野黄門と若き助格の躍動感が圧巻です。 - スタイリッシュな映像美と爽快なバディ感を楽しみたい方:
👉 5代目・合田雅吏期(第32〜41部) または 6代目・的場浩司期(第42〜43部)。現代的なテンポと分かりやすい人間ドラマが魅力です。
【水戸黄門 歴代格さん】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:歴代で最も長く格さんを演じた俳優は誰ですか?
A1:3代目を務めた伊吹吾郎です。1983年の第14部から2000年の第28部まで、通算17年間・556回にわたって出演し、歴代最長記録を保持しています。
Q2:格さんの本名や劇中での役職は何ですか?
A2:本名は「渥美格之進(あつみ かくのしん)」です。水戸藩の侍であり、光圀の隠居後は旅の供として従事。町人姿で旅をする際は「越後のちりめん問屋の手代(または番頭)」を名乗り、一行の会計や日誌記録、印籠の管理を担当しています。
Q3:印籠を出すシーンで使われている印籠は本物の漆器ですか?
A3:撮影用には複数の印籠が使い分けられていました。乱闘シーンで懐から取り出す際のアクション用、光の反射を抑えて蒔絵を美しく見せるためのアップ撮影専用の美術品など、職人の手による精巧なプロップが複数用意されていました。
Q4:格さん役から黄門様役になった俳優はいますか?
A4:助さん役から黄門様役に昇格した俳優(里見浩太朗)は存在しますが、格さん役から黄門様役へ転じた俳優は現在のところいません。ただし、初代格さんの横内正や3代目の伊吹吾郎は、後年のシリーズやスペシャル版、舞台版などで悪徳家老役や重要なゲスト役として凱旋出演を果たしています。
まとめ:時代を超えて愛される「格さん」の普遍的な魅力
『水戸黄門』における渥美格之進(格さん)は、単なる主役の引き立て役にとどまらず、物語の秩序と倫理観を担保する決定的な存在でした。初代・横内正が築いた生真面目な基礎、大和田伸也がもたらした熱気、伊吹吾郎が完成させた印籠の様式美、そして平成の山田純大、合田雅吏、的場浩司らが注ぎ込んだ新たな息吹。それぞれの俳優が時代ごとの空気を吸い込みながらバトンをつないできたからこそ、格さんというキャラクターは今なお色褪せない輝きを放っています。
配信サービスや再放送で『水戸黄門』に触れる際は、華麗な助さんの剣さばきとともに、どっしりと構えて一行を支え、ここぞという瞬間に葵の御紋を掲げる「歴代格さん」の魂のこもった名演にぜひ注目してみてください。 (出典: 水戸 黄門 歴代 格 さん(Yahoo!ニュース))